特集 笑い
Photo:Ko Hosokawa
はるな愛すべてが楽しめる人生、悩んだからこそ今がある
どこで出会っても、明るい笑顔がたえない、はるな愛さん。「テレビでたくさんの人に笑ってもらいたい」。そう思うのも、男の子に生まれながら、性に違和感を感じていた子どものとき、テレビのハコの中の芸能界に夢を見たから。「いやなことをすべて忘れさせてくれるハコだった。私は今、そこに入ってるから、笑顔でいることが大切だと思う。小さいときにアイドルを走って観に行った記憶が強く残ってる。だから、街で呼ばれたら、笑顔で一緒に写真を撮りたくなるんです」
今では、憧れだったアイドルそのものになりきる"エアー芸 " も人気のひとつ。「けっこう喉を使うんですよ。このときの声はこういう表情だ、ビヨンセならこういう唇の形とか。上辺だけではできない。その人に近づけようとやってたら、気持ちまでその人になっちゃうんです」。どんなに疲れていても、本人がやっている気持ちにそのまま引っ張られる。」そんな繰り返しも、キラキラしたエネルギーのモトになっているようだ。
「女の子になりたい、自分らしく生きてみたい」と親に告白したのは15歳のとき。それまでグレーだった世界が一気に色づいた。もちろん、親や周囲との間に悩みは尽きなかった。「悩んだから今がある。ここでめっちゃ考えたら、すぐに次にはハッピーなことが来るのがわかっているから、すべてが楽しめるという人生になれた」。
可愛らしいファッションは、"女の子 " への憧れが強かった幼稚園や小学校のときの気持ちからきている。「普通は親に服をチョイスしてもらって、家のカラーがあって、そこからはみ出すと私らしくない、と思ってしまう。でも、いきなり女の子になれるチャンスが来たから、なんでも試せる」。
嬉しかったのは、テレビの仕事で自身の存在が、性の問題で悩んでいる子どもに、家族や社会に向かう勇気を与えたことを知ったとき。「人は、みんな変われる。いつでも、年齢も関係ない。周りの人のために生きる人生じゃなく、自分のために生きる人生を選んだら、勇気も出る」。とっておきの笑顔に、力強い言葉が響いた。
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