SANZUI vol.06_2015 winter
若き実演家の未来
Photo / Kota Sugawara
ガツンとくる古典の魅力を伝えたい藤舎推峰
邦楽の笛演奏家の家に生まれたが、ジャズやロックに憧れ、ずっと作編曲家を目指していた。夢に限界を感じてきた22歳。やらざるを得ない人生なのかなと、ゼロから古典の世界に飛び込んだ。
数年はどれも同じ曲に聞こえたが、次第に、発見の宝庫である古典に魅了される。「何百年も前の人が言っていたことが、舞台での演奏中にハッとわかる瞬間がある」外の世界にいたからこそ見えることも。「予定調和に見える古典も、ジャズセッションのように、笛と唄・三味線が掛け合う場面がある。古典の深さ、音楽としての広さがたまらなく面白い」今は、古典を伝えていきたいと強く思う。
出前授業で邦楽器を体験した子ども達の瞳の輝きが忘れられない。「広く浅くも大切だけど、深くてガツンとくる体験は根強い感動がある。『何だかわかんないけどすごい!』ってところに訴えたい」
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