SANZUI vol.02_2013 autumn

SANZUIぱっしょん

この仲間とだから、映画が撮りたい! ~神奈川県立大磯高校SF研究部~

約10年の活動休止期間を経て2009年に活動を再開させた立役者は、顧問の小澤大輔先生。「弟が部員だったこともあり、活動内容を誰よりもよく知っていたし、高校生で映画が作れるなんて羨ましいなって。大げさだけど、磯高に赴任したのは、S研を再開しろ、という神様からの使命だと思っている」。部員をかき集め、ほぼ新しい部を立ち上げる形で、何とか再開にこぎつけた。それがわずか4年の間に、総勢約30名の大所帯に。「何より部員たち の周りを巻き込む力がすごいんです。学校の雰囲気を変えているし、今では先生の間にもファンがいますよ」。YouTubeで作品を見て、S研に入りたいから磯高に入ったという部員もいるとか。

作品の内容は各学年の監督を中心に皆で話し合って決める。家庭用ビデオカメラを片手に、イメージ通りの撮影場所を求めて、東京さらには群馬まで。映画作りの楽しさは?「作品を観て笑ってもらえるところ」「自分が頑張っていた高校生時代が映像として残るところ」「自分の考えを素直に外に出せるところ」。S研は、部員たちにとって「クラスよりも居心地がいい家のような場所」のようだ。部長の志田小鼓音さんは語る。「映画って、もう一つ の現実世界。自分が直面している悩みを混ぜ込んで表現がしたくなるんです。作りたい作品が多すぎて、時間が足りないのが悩みの種です」。

そんな志田さんの将来の夢は、「教員になりたい。磯高に赴任して、S研の顧問になりたい」。S研という『場』を愛する心から出た素直な気持ちであった。

そんな彼らの活動は、映画甲子園の入賞、神奈川県警イベントへの協力等、学校を飛び出してどんどん広がっている。さらにどう発展していくのか、今後がますます楽しみだ。


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