特集 声
生まれ育った故郷の風景が目に浮かぶ、
民謡は故郷そのもの
声のこだわり04 原田直之 民謡歌手
私の生まれ育った相馬地方は郷土芸能が盛んなところで、民謡は生活と密接に結びついていました。長兄の結婚式で地元の長老が歌う長持唄に強く感動したのがきっかけで高校卒業後、吾妻桃也先生に入門。歌修行というよりもこれは人生修行でした。練習といえば、師匠の出番前に舞台で歌う一曲が全て。それも、同じ曲を2年も3年もひたすら歌い込む。この修行のお陰で声が磨かれたのだと思います。
民謡は、お腹から大きな地声を出すのが一番大切。そして声は健康のバロメーター。調子が悪ければ声は出ない。大きな声で毎日民謡を歌うのが最高の健康法ですよ(笑)。民謡は故郷と切っても切り離せないもの。山や田んぼなど、生まれ育った故郷の風景が目に浮かびます。皆さんも、故郷の民謡を、一曲でも二曲でも声に出して歌って下さい。お子様やお孫さんに皆さんの声で故郷を伝えてくれると嬉しいなあ。
歌うことによって自分が成長し、
声もまた変化していく
声のこだわり05 Metis シンガーソングライター
私の原点は小学生の頃に見たマイケル・ジャクソンの『スリラー』のビデオ。頭を叩かれたような衝撃を受け、もうブラックミュージックの虜に。ホイットニー・ヒューストンの歌唱力やマライア・キャリーのハイトーンボイスにも憧れて、他の子供と遊びもせずに毎日毎日、CDを聞いては練習に明け暮れていた(笑)。
声の練習はほぼずっと独学でやってきました。大切なのは声の良し悪しではなく、その瞬間瞬間にどれだけ人に愛、暖かさ、自分の思いやりを伝えられるかということだと思います。歌うことによって自分が成長し、声もまた変化して行くのだと思う。ボブ・マーリー没後に奥さんが歌った『One Love』の中の「みんな辛い時も手を取り合って一つの愛で乗り越えよう」という歌詞に自分の生き方があるような気がします。私が辛くて悲しい時に音楽で救われた様に、私の声で人を救ってあげられたらとっても幸せですね。
ジャイアンの力強さ、パワフルさを
どうやって声で表現するか日々模索中
声のこだわり06 木村昴 声優
僕の両親は共に声楽家だったので、グランドピアノの上に置かれたベビーベッドで眠り、ピアノの脚の近くで遊び、音楽や声を聴きながら育ちました。ドイツで生まれ、8歳で日本に来た記念に母がくれたCDの中にヒップホップMC、エミネムが入っていた。もう夢中になって、何とかエミネムのように声を出したり、歌いたくて何度も聴いては発音や声を真似してました。僕は英語をエミネムに教わった(笑)。
チャンスは突然やって来ました。中学2年の時にジャイアンのオーディションに受かってしまった。嬉しいというより怖かったけど無我夢中でやってきました。ジャイアンはガキ大将なので堂々とした声ですが、大声を出すだけではなく、力強さ、パワフルさをどうやって声で表現するかを、まだまだ日々模索しています。いつか師匠と仰ぐスネオ役の関智一さんに「おまえ、すごいな」と言われるのが、今の僕の目標です。
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