PLAZA INTERVIEW

vol.030「多彩なジャンルで世界へのステップを」

まだ18歳だった2006年に、ミニアルバム『ALL MY GIRLS』でデビュー。その後、セカンドアルバム『FAMILY』でオリコンウイークリーアルバムチャート初登場4位となるなど、R&Bシンガーとしての地位を確実なものとしてきたMay J.さん。その抜群の歌唱力や表現力には高い評価がある一方で、2008年からNHK総合テレビの「J‐MELO」の司会を務めるなど、マルチリンガルで多彩なジャンルのアーティストとコラボレーションできるという才能も発揮している。22歳となった昨年は初の全国ワンマンツアー「May J. Tour 2010 ~LIVE for you~」をはじめ、上海万博日本館でのライブ、「Tokyo Girls Collection」出演などに活躍の場を広げるなど、活躍の勢いはとどまるところを知らない。進化し続けるシンガーMay J.さんに、松武秀樹CPRA広報委員長が音楽への思いをうかがった。
(2011年03月09日公開)

Profile

シンガー May J.さん
1988年神奈川県生まれ。日本、イラン、トルコ、ロシア、スペイン、イギリスのバックグラウンドを持つマルチリンガルアーティスト。幼児期よりダンス、ピアノの弾き語りやオペラを学び、ソングライティング、アパレルブランドのカタログモデルをもこなす。2006年にミニアルバム「ALL MY GIRLS」でデビュー。レーベル移籍後、2009年5月に2ndアルバム「FAMILY」をリリース。Sugar Soul feat. Kenjiの名曲「Garden」をカバー収録した同アルバムは自己最高位となるオリコンウィークリーアルバムチャート初登場4位を記録し、2週連続TOP10入りを果たした。2010年2月にリリースした3rdアルバム「for you」も9位を獲得。アルバム2作連続でオリコンウィークリーアルバムチャートTOP10内にランクイン。一方、2008年から、NHK総合テレビと世界の180以上の国と地域に放送されているNHK WORLDの音楽番組「J-MELO」のメイン司会を務める。

生まれた時から音楽の中で育ち

030_pho01.jpg ―― 音楽をやるきっかけは何だったのですか。
私の父が音楽大好きで、私が生まれる前から家に音楽が流れていたんです。私も3歳の時からピアノを習い始め、クラシックバレエもやってたんです。

―― 音楽環境が生まれた時からあったんですね。
その後は、自分の趣味で宇多田ヒカルさんや中島美嘉さんを聴いたり。それよりもっと前は、マライア・キャリーとか、ホイットニー・ヒューストンとか。そこから、「自分も歌いたい」っていう意識が、どんどん強くなっていって、小学校3年生ぐらいのときから「私は歌手になりたい」って言ってました。

―― 目標にしているアーティストはいますか。
目標は、やっぱりクリスティーナ・アギレラですね。声も素晴らしいし、スキャットとかフェイクもオリジナリティーがあって、ダンスもできる。憧れの存在です。アリシア・キーズも大好きです。ピアノの弾き語りが素晴らしいですよね。私も弾き語りができるアーティストになりたいから。自分のツアーのなかでも弾いていたり、アルバムのなかにも1曲、そういう作詞と作曲と弾き語りをしている曲も入れさせてもらってるんです。

―― ダンスは小さい時から得意な方ですか?
ダンスも、自分の表現の一つなんじゃないかなと思います。これからもどんどんダンサブルな音楽は歌っていきたいし、ライブとかでも「踊りながら歌っているMay J.」っていうのは、常に見せていきたいです。

様々なジャンルのアーティストと出会い

030_pho02.jpg ―― NHKの番組の「J-MELO」で司会をされていますが、いろんなアーティストの方との出会いで感じるものはありますか。
「J-MELO」の前もいろんなラジオ番組のMCをさせてもらったんですけど、やっぱり自分と似たジャンルのアーティストさんがゲストには多いですよね。R&Bやラップをやってたりとか。でも、「J-MELO」になったら音楽の幅が本当に広くて、今までに会う機会がなかった人たちと話す機会があるので、自分にとって本当にプラスになる場ですね。

―― 自分が持っていないものを感じたりする。
はい。想像もしなかったことがたくさん聞けるし、こういう世界もあるんだって教えてもらえます。コラボレーションもしたいと思えるし。「J-MELO」のなかで、実際にコラボレーションした方もいるんです。渡辺香津美さんとか。そういうのは、「J-MELO」ならではの経験ですね。

―― コラボに関しては、メジャーデビュー後も大変多くのアーティストの方たちの作品に参加されてますが、そういうコラボはどのようにして実現するんですか。
デビューした当時は17、8歳だったんですけど、だんだん友達が多くなると、ライブの会場とかで意気投合して、「じゃ、一緒にやる?」って盛り上がって曲ができるパターンが多くなってきました。「いまこういう曲を創ってるんだけど、こういう役割をしてくれる男性のボーカルが欲しいんだよね」といわれたら、「彼ならできるんじゃないかな」って言えるリストがあるんですよ。そういう形で、いろんなところから曲が生まれてきますね。

いろいろな色のMay J.を

―― 1月26日にニューアルバム『Colors』を発売されましたが、その聴きどころをぜひ。
このアルバムでは、「いろんな自分」ていうのを見せたかったのです。私は、一つのジャンルにとらわれたくないっていう気持ちがずっとあるんです。R&Bだけじゃなくて、ロックだったりハウスとかソカとか、エスニックのものだったりとか。今回のアルバムも、一つのジャンルじゃないっていう意味で、タイトルを『Colors』にしたんです。

―― コラボもいろいろな方と。
いろんなフィールドの人がいます。ヒップホップのZeebraさんとか、パンクロックの難波章浩さんとか。久保田利伸さんはソウルで、KGがいたりWISE君がいたり、AAAの浦田君がいたり。RYO the SKYWALKERさんていう、レゲエの大物がいたり。それだけでも楽しくって、また違ったMay J.が1曲ごとにあります。

スタジオをライブの違いは

030_pho03.jpg ―― ライブも積極的にこなされていますが、スタジオ録音とライブではどちらがお好きですか。
難しいですね。どっちも好きなんですよ。録音は好きなだけ歌えるし、満足いくまで録り直すことができますよね。そういう意味では、自分で「まだここまでたどり着いてないんだけど、この録音でここまで行きたい」っていう、目標を作ってやることができ、録音するたびにステップアップできる。一方のライブは、生ものじゃないですか。間違えたら、それはもうそれでMay J.なんです。そこにいる人たちとその空間を創るっていうのがライブなので、すごく難しい。私は、デビュー当時は本当に苦手でした。

―― え、そうなんですか。
人前で歌うのは大好きだったんですけど、MCをつなげてみんなのテンションを上げて、下げてっていう、そういうクリエイティビティが難しくて大変だったんです。でも、今年でデビュー5年になるんですけど、去年はライブを108本やらせてもらったんです。

―― うわっ、それはすごいですね。
いろんなイベントで歌わせてもらいますが、来てる人も違うし、アーティストさんも違うので、毎回違うステージになるんです。今日はこういうお客さんだから、こういうMCでとか、微調整もだんだんできてきたんじゃないかと思います。本当にライブは経験なんだなって思います。まだまだなんですけど、すごく面白いなって思います。

10年後は世界で活躍していたい

030_pho04.jpghttp://122.200.237.74/web2/plazaweb/interview/images/030_pho04.jpg ―― ご自分の10年後、どんな音楽活動をしているか想像したことはありますか。
まったくわからないですね(笑)。でも、大きくいうと、世界で活躍していたいですね。NHKの「J-MELO」は、180以上の国と地域で放送しているので、そういう場がもっと増えたらいいなと思っています。私は、自分の血のなかにイラン、スペイン、トルコ、イギリス、ロシアって入っているんですけど、まだその国全部に行ったことがないんです。ですから、少しずつルーツを探りながらできたらいいなとかも思います。

―― ぜひ世界で活躍していただきたいですね。3月23日に、これまでのコラボレーション曲を集めたニューアルバムが出るんですね。
はい。フィーチャリングで参加してもらった曲や、他のアーティストさんの曲で、フィーチャリングアーティストとして参加させてもらった曲がいっぱいあるんです。それらは全部違う色だし、違うMay J.なんです。32曲をノンストップでつなげたミックスCDに仕上がっています。鈴木雅之さんとコラボしている曲もありますよ。

―― 今後のライブなどのご予定は?
5月13日に、赤坂BLITZでライブ「Believin' Colors」をやります。去年もツアー5カ所まわらせてもらったんですけど、今年は1日限りになるので、いろいろスペシャルなことを考えています。

―― もうすぐですけど、ぜひ素晴らしいライブをお願いします。今日はありがとうございました。

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