vol.025「いまだから残したい「和」の芝居」
大学在学中に文学座研究所に入所。以来、1991年の初舞台『好色一代男』にはじまって、『ふるあめりかに袖はぬらさじ』『怪談牡丹灯籠』『女の一生』など、「日本の女」を主人公とした舞台に数多く出演し、日本舞踊、長唄等で培った「和」の演技に輝きを見せてきた石井麗子さん。「あまり意識したことはなかった」というが、祖父や祖母に芸事の関係者を多く持つという血筋を、見事に舞台で花開かせてきた形だ。その一方で、30歳でロンドンに演劇留学。ヨーロッパの舞台でも演技力を認められるとともに、生涯の伴侶にも出会って帰国。その後も、数多くの舞台やテレビドラマなどに出演するとともに、文学座の大先輩である杉村春子さんから教えられた「和物の芝居を伝えていく大切さ」を実感する。今回は、朗読劇『華岡青洲の妻』の舞台で石井麗子さんと共演した丸山ひでみ広報委員が、息の合ったやり取りで、「和」の芝居の素晴らしさ、奥深さを語り合った。
(2010年07月28日公開)