ギターへの思い入れは深いものが
―― 坂崎さんはテレビ番組のなかでもいつもギターを抱えていますが、一言でいうと、ギターはどのような存在だったですか。
最初は暇つぶしだったんですけどね(笑)。今となって考えると、体の一部かもしれません。ギターが離れないとよくいわれます。コミュニケーションツールですかね。ただ、それがあまりにもうるさいっていうんで、拓郎さんによく怒られますけど(笑)。打ち上げにもってくるなよ、とか。
――マーチンとかギブソンとか、いろいろなギターを曲によって使い分けるのですか。
これはもう、自己満足ですよね。聴く人には、マーチンかギブソンかなんてたぶん気にならないと思います。たとえば、ニール・ヤング風の曲だったら、絶対にニール・ヤングが使ってたD-45(マーチン製)だとか、ポール・サイモン風のアルペジオだったら、マホガニーのちょっと小ぶりのギターだとか。自分がそれを弾いてると、ポール・サイモンやニール・ヤングに近づいてると。そんな自己満足ですね(笑)。
―― ヤマハでギターをつくっていたテリー中本さんとは、ずっとコンビで。
テリーさんはジョン・レノンとかポール・サイモンのギターを手掛ける世界的な人でしたけど、最初お会いしたのは1981年ごろ。エレアコ(エレクトリッ ク・アコースティック・ギター)がやっと出てきた時代でした。それまで生ギターは、マイクで音を録ってたんですね。でも、だんだんバンドの音が大きくなってきて、アコースティックギターがハウリングを起こしやすいというので、マイクに変わり、ギター専用のピックアップが出てきてたんです。それで、最初から 半分生音を抑えて、ピックアップでとる時代にかわってくるころだったんです。ちょうど、ALFEEの音もいちばんでかくなってきたころです。
――ALFEEの演奏で使うギターを中本さんが。
ALFEEのライブの爆音のなかで、アルペジオ弾いても聞こえるギターを作りたいというコンセプトで3、4本試作して、最終的にはAPXっていうエレ・アコにまでたどり着いて。それでテリーさんはヤマハをやめて、「Terry's Terry」っていう自分のブランドをつくったんです。その「Terry's Terry」で、僕が最初に作ってもらったギターはいまでも、ライブではいちばん大事なギターです。
――爆音のなかで弾くとギターの音は?
いちばんの問題はハウリングですね。自分が弾いてなくても勝手に弦が共鳴しちゃう。アコースティックギターは板が共鳴しなきゃいけないのにそれを抑えるわけですから、逆のことをやるんです。難しい注文ですよね。
――コレクションでは、ジョン・レノンの使ってたギブソンのギターなどはお持ちですか。
ハイ、J‐160E。もちろん(キッパリ)。
――うわっ、すごい。失礼いたしました。
ビートルズものは、あとエレキのリッケンバッカー。335ですね。カントリー・ジェントルマンは、高見沢がこのあいだ手に入れていました。憧れのミュージ シャンと同じ楽器を手にしたいというのは何歳になっても変わりませんね。ポール・サイモンだったらD‐18とか、ニール・ヤングだったらD‐45とか。