vol.011「世界のクラシックシーンで活躍」
一昨年来、クラシック音楽に関して最もテレビをにぎわした話題といえば「のだめカンタービレ」。お陰でクラシックの演奏会の入りが随分よくなったと聞く。その主役は「のだめ」こと野田恵だが、もう一人の主役はピアノ、ヴァイオリンの名手にして、指揮者を目指している千秋真一先輩。ドラマの役柄だから実際の指揮者の姿とは違うのだが、玉木宏が演じている千秋は実にかっこいい。つまり、指揮者の仕事の中のかっこいい部分がデフォルメされているといっていいだろう。だが、玉木宏は当然指揮者ではなく、指揮の勉強をしたわけでもない。かっこよく役柄を演じるためには指南役がいる。その指南役が今回インタビューする飯森範親さんだ。飯森さんもまたかっこいい指揮者だ。そのかっこよさは演じるためのかっこよさではなくて、音楽を表現するために磨き上げられた充実しきった内面から醸し出されるかっこよさだ。世界中のオーケストラから招かれて指揮をしているというキャリアがそれを証明している。テレビ映りも格別だ。毎年お正月に放映されるNHKの「ニューイヤーオペラコンサート」の指揮を2年連続で務めたので、テレビの画面に大きく映し出された彼の指揮する姿をご覧になった方も大勢いるのではないかと思う。世界のクラシックシーンで活躍する飯森範親さんに、音楽との出会いからあまり知られていない「指揮者の裏側」までを、社団法人日本演奏連盟事務局長でCPRA広報委員の菊地一男委員が伺った。
(2008年03月18日公開)