テレビや舞台で多忙な毎日
―― いま、CS放送の日本映画専門チャンネルで、淡島さんの出演された駅前シリーズなどをたくさん放映していますが、若い時のご自分の作品を観るとどうですか。 とても楽しいです。過去の作品でも、それはそのときのものとして観るわね。「へただ」なんていってもどうしようもないじゃない。若いころなんて、未熟じゃなかったらどうするのよ。いまならこうすればいいって、反省すればいいんじゃない。
―― いまも、テレビも映画も舞台も、なんでもなさってますよね。どれが好きっていうのはあるんですか? どれも違うもんだから、それぞれに良さがあるのね。
―― 同じ舞台に出ているこっちの役をやりたいなんて思うことは... ない。だって、自分にできる役とできない役があるっていうことはわかってるの。それに、いくら自分が努力しても、絶対いいと思ってもらえない役っていうのもありますよ。
―― 今度は、12月に名古屋で舞台ですよね。 ええ。それで、1月に帰ってきて2月にも同じものを明治座でやります。初役で、もうすぐお稽古です。これだけ好きなことに打ち込めるのは、本当に幸せだと思っています。いい時代に時間をかけて、ゆっくりと過ぎてきたから。このごろの方はそれがなくて、ただ忙しいと思って過ぎている方が多いんじゃないですかねえ。
―― もうすぐ今年も暮れになりますが、今年はどのぐらい舞台に立たれましたか。 1月の名古屋に始まって、3、4月が明治座、6月が新橋演舞場だったでしょ。それと、9月に朗読劇をやって、今度の12月がまた名古屋です。やっぱり、朗読劇みたいにふだんやりつけないものをやるっていうのは、とってもくたびれましたよ(笑)。
―― それにしても、失礼ですけどそのお年でほとんど休む間もなく舞台に立たれているわけですよね。健康の秘訣は何かあるのですか。
本当は聞かれたくないな(笑)。寝られるだけ寝ますね、昔から。ただね、うたた寝は絶対にできない。パジャマ着てお布団に入って、これから寝るんだぞっていうスタイルになって寝ないと眠れないんです。寝るのがいちばん回復しますね。最近は寝られないっていう人が多いんだけど、私は「寝てから考えるからいけない」っていうの。寝る時は、「いまから寝るんだぞ」って思うこと。他に何もできないんだから。そんなに気になるんなら、起きてそれをやれ。やって、やれやれと思ったらすぐ寝ろと私はいうの。
―― 寝る時に、セリフが浮かんじゃって寝られないなんていうことはありませんか? 浮かんじゃいけないのよ。たしかに、初日の前はやっぱりちょっと寝にくいですね。でも、寝不足だと舌が回らなかったり、目がちょろちょろしちゃうから、私は自分に「寝ろ」って言い聞かせて寝ているの。
―― なかなかできないですよ。やっぱり、性格がさっぱりしていらっしゃるんですね 今日は楽しいお話、どうもありがとうございました。これからも、多彩なご活躍を楽しみにしています。