「デジタル・プラットフォームを通じた送信における著作者および実演家の直接の報酬請求権に関するベルギーのアプローチ」について
フランク・ゴッツェン（Frank GOTZEN）／芸団協CPRA法制広報部
ベルギーのルーバン・カトリック大学名誉教授であり、ALAI（国際著作権法学会）会長も務めるフランク・ゴッツェン（Frank GOTZEN）先生による「The Belgian approach to direct remuneration of authors and performers in the case of transmission via digital platforms（デジタル・プラットフォームを通じた送信における著作者および実演家の直接の報酬請求権に関するベルギーのアプローチ）」(RIDA 276号（2023年4月）)は、ベルギーにおける著作権法改正について述べられています。
ベルギーでは、2022年の法改正により、オンライン・コンテンツ共有サービスやストリーミング・サービスのプラットフォームにおける著作物や実演の利用について、著作者や実演家が公衆への伝達に係る排他的権利を譲渡していた場合であっても、これらプラットフォームに対する直接の報酬請求権を有し、この権利は集中管理団体のみによって行使することができると定められました。
本稿では、このベルギーにおける直接の報酬請求権の制定経緯から、比較法やEU指令との関係まで述べられています。
日本においては、このような制度は馴染みのないものですが、本稿でも述べられているように、既にスペインやドイツでも相当する制度が存在しています。
また、欧州における実演家の権利管理団体が、オンライン利用からの対価還元の仕組みとして提言しているものにも通じるものです。
そこで、このような仕組みを紹介することは、日本における今後の議論にも資するものと考え、ゴッツェン先生の許諾を得て、翻訳を掲載いたします。
・「デジタル・プラットフォームを通じた送信における著作者および実演家の直接の報酬請求権に関するベルギーのアプローチ」日本語訳（PDF）