2020年度 実演家著作隣接権センター(芸団協CPRA)事業の概要について(報告)
芸団協CPRA
2020年度徴収分配実績
①徴収実績
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、放送業界において広告収入等の大幅な減少がみられるが、二次使用料等の徴収額は、一部の事業者との越年交渉が決着し、過年度分を含む入金があったことを要因として、2019年度実績を上回った(2019年度比104%)。
なお、二次使用料等の算定基礎を前年度収入としているケースが多いため、2021年度徴収額は減収となる見通しである。
2020年度は、商業用レコード二次使用料及び録音使用料は微増だが、送信可能化使用料は放送番組のインターネット配信が好調に推移し、増加した。一方で、貸レコード使用料・報酬の徴収額は、ストリーミングサービスの普及等からCDレンタル市場の縮小が進み、減少した(2019年度比90%)。その他、私的録音補償金の受領額は僅かなものとなっている。
②分配実績
国内分配は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けつつも、例年のスケジュール通り、管理委託契約約款及び分配規程に基づき、適正に分配を実施することができた。
また、関係者間で分配の精緻化に向けた検討及び協議を行った。分配業務のさらなる精度向上のため、委任管理・作品DB等の拡充を図り、権利委任団体間のデータ共有を行い、業務の効率化を進めた。
③海外業務
22団体から徴収を行い、32団体及び30のエージェントに分配を行った。また、新たに3団体と協定を結び、協定締結国は35か国46団体となった。
なお新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で分配に必要なデータの提出が遅れた国も出たが、年度内には処理が済み、例年通りの分配を実施することができた。
法制広報業務
①著作権・著作隣接権を巡る課題の解決に向けた活動
著作権分科会をはじめとする関係省庁等の会合における議論に積極的に参加するとともに、意見表明を行った。
②『CPRA news』の発行、ウェブサイトの運営
CPRAの活動を周知し、実演家・権利者を取り巻く社会状況への理解を深めるため『CPRA news』を年3回発行した。また、ウェブサイトを運営し、CPRAの業務概要、実演家の権利等について情報を発信した。
③著作権・著作隣接権制度の普及啓発事業への協力
国内外の関係機関のほか、大学における活動に参加協力し、講師派遣等を行うとともに、学会など学際的な場を通じてネットワーク形成に努めた。また、実演家の権利を取り巻く環境への理解を深めるべく、オンライン勉強会を実施した。
【関連ページ】
≫公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 2020年度年次報告