2021年度 実演家著作隣接権センター(芸団協CPRA)事業概要について(報告)
芸団協CPRA
2021年度徴収分配実績
①徴収実績
二次使用料等の徴収額は、2020年度実績を下回った(2020年度比94.5%)。この要因は、使用料算定の基礎とする放送局の前年度広告収入が、コロナ禍により減少したことである。ただし、二次使用料等のうち、送信可能化使用料は、放送番組のインターネット配信が好調に
推移したことで、増加している。一方で、貸レコード使用料・報酬の徴収額は、事業者団体との協議の結果、使用料の算定方法を変更したこと、CDレンタル市場の縮小が進んだこと等が絡み、大きく減少した(2020年度比69.3%)。その他、私的録音補償金の受領額は僅かな
ものとなっている。
②分配実績
国内分配は、2020年度に引き続き新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を受けつつも、例年のスケジュール通り、管理委託契約約款及び分配規程に基づき適正に分配を実施することができた。
また、分配業務のさらなる精度向上のため、委任管理・作品DB等の拡充を図り、権利委任団体間のデータ共有を行い、業務の効率化を進めた。
なお、2020年度末に実施した商業用レコード二次使用料海外徴収分に誤分配が発生したことを受け、関係各所に報告するとともに、権利者団体と協力しながら、2021年8月に不足分配権利者に対しての分配業務を行った。一方、過分配権利者に対して返金請求業務を継続して行っており、2021年度末までに約70%の回収が完了した。
③海外徴収分配業務
24団体から約4300万円の徴収を行い、28団体に約3億200万円及び30エージェントに約1億3900万円の分配を行った。新型コロナウイルス感染症の世界的流行拡大が続く厳しい状況の中、海外団体との間ではほぼ予定通りの徴収・分配を実施することができた。
その他業務
①著作権・著作隣接権を巡る課題の解決に向けた活動
著作権分科会をはじめとする関係省庁等の会合における議論に積極的に参加するとともに、意見表明を行った。
②『CPRA news』『CPRA news Review』の発行、ウェブサイトの運営
芸団協CPRAの活動を周知し、実演家・権利者を取り巻く社会状況への理解を深めるため『CPRA news』を2回発行、リニューアルした機関誌『CPRA news Review』を創刊した。また、ウェブサイトを運営し、芸団協CPRAの業務概要、実演家の権利等について、情報を発信した。
③著作権・著作隣接権制度の普及啓発
国内外の関係機関などに参加協力し、講師派遣等を行うとともに、学会など学際的な場を通じてネットワーク形成に努めた。また、実演家の権利を取り巻く環境への理解を深めるべく、オンライン勉強会を開催した。
【関連ページ】
≫公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 2021年度年次報告