CPRA news Review

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権利者団体会議委員からのご挨拶

(一社)日本音楽制作者連盟 理事長 野村達矢
(一社)演奏家権利処理合同機構MPN 理事長 椎名和夫
(一社)映像実演権利者合同機構 代表理事 小野伸一

効率的かつ透明性の高い権利処理基盤の構築を

一般社団法人日本音楽制作者連盟
理事長 野村達矢


 昨年より権利者団体会議に参加することとなり、CPRA事業の重要性、中でも音楽の創作活動における実演家の権利処理がいかに大変で複雑か痛感しております。
 特にこのコロナ禍では、多くのアーティストが新曲発表を遅らせた上、感染拡大防止の観点から、これまで音楽産業の拠り所だったイベントやコンサートの通常開催が困難となり、収益の見込めない無観客配信公演を余儀なくされています。こうしたギリギリの状況での配信にも関わらず、関係権利者との間での様々な権利処理が足枷となっています。更にはその配信映像の有料転売や動画共有サイトへの無断アップロードのような不正行為も残念ながら散見されます。
 まもなくデジタル庁が開設され、政府機関も一般社会も効率化と即時性が求められ、音楽産業にも好影響をもたらすかと思います。作品の創作はもとより、世界共通のメガプラットフォームを経由した流通やSNS主体のプロモーション展開と産業構造が大きく変化しています。ところが権利処理は、このスピードへの対応が容易ではありません。新たな才能溢れるアーティストやその作品を絶やさないためにも、関係団体が手を携えた権利情報の集約化と効率的かつ透明性の高い権利処理基盤の構築が今後益々必要とされているかと思います。

粛々と、着実に

一般社団法人演奏家権利処理合同機構MPN
理事長 椎名和夫


 思いもかけないCOVID-19の登場で、浮足立ったまま過ぎようとしている一年ですが、これから先どのようなことが、どのようになっていくのか?簡単にはわかりません。しかし、その「変化」が、この先お気楽に振り返ることのできるような「変化」ではないということだけは確かなことのようです。そんな時に限って、平常時にはありえないことが進行し、あとから気付くというようなことも起きるかもしれません。今はCPRAが帯びている、権利者を側面からしっかりサポートする役割を、粛々と、着実に果たしていく必要があります。
 昭和45年に実演家の権利というものが位置付けられて以降、実演家と大切なパートナーである事業者との弛まない努力により成長してきた実演家の権利は、もはや権利者のみならず、社会にとって大きなインフラのひとつになりました。もちろん、相変わらず様々な課題はあります。こんな時だからこそ、ひとつひとつ、根気強く、注意深く向き合っていく姿勢が必要です。社会が揺籃期にあったとしても、この得難い財産を毀損することなく、またさらなる高みへと持ち上げていく責任をわれわれは背負っています。当機構もその責任の一端を微力ながらしっかり担っていきたいと思います。力を合わせて、一歩一歩進みましょう。

困難を超えて実演家を支え続ける組織を目指して

一般社団法人 映像実演権利者合同機構
代表理事 小野伸一


 誰も想像し得なかった2020年になりました。2011年の春もそうでしたが、予想をはるかに超える困難に直面するたび、エンタテインメントの意義を考えさせられます。答えを見つけるのは簡単ではありません。ただ、この状況下でも音楽の力を幾度となく見ることとなりました。また、今まで当たり前にできていたことが当たり前にできない環境のなか、実演家やその関係者が懸命に試行錯誤する姿を数多く見ました。それらの姿を目の当たりにして、CPRAは、その懸命な努力に応え、その活動を支える存在でなくてはならないと、改めて想いを強くしました。
 適切な権利や制度の在り方を常に考え実現を目指すこと、適正な対価の徴収と分配を確実に遂行すること、CPRAが取り組んでいることはどれも一筋縄にはいかず、不断の努力が欠かせませんが、臆することなく続けなければならないと痛感しています。  引き続き広く関係各位の協力を賜りますようお願い申し上げ、そして権利者団体会議委員、運営委員会委員、各委員会委員とともにCPRAの業務に真摯に向き合って参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。