平成29年度実演家著作隣接権センター(CPRA)事業の概要について
芸団協CPRA
6月25日に芸団協総会が開催され、平成29(2017)年度事業報告・決算 が承認された。平成29年度実演家著作隣接権センター(CPRA)事業の概要について報告する。
1. 平成29年度徴収・分配実績
①徴収実績
平成29 年度の徴収総額は、概ね横ばいとなった(前年度比99.3%)。二次使用料等(録音使用料及び送信可能化使用料含む)の徴収額は、NHKや地上波民放局の放送関連収入の増収などの影響により増加した(前年度比101.6%)。一方で、貸レコード使用料・報酬の徴収額は、音楽ストリーミングサービスの成長に伴い、CDレンタル市場の縮小が進んでいることから、減少した(前年度比87.7%)。その他、私的録音補償金の受領額は僅かなものとなっている。
送信可能化使用料について、放送と通信が連携するサービスが続々と開始しており、徴収実績が増加する傾向にある。放送番組の配信サービスに対応するべく、管理事業が円滑に行われるよう努めている。
今後も、放送事業者等との協議の中で、商業用レコードの使用についてルールを定めつつ、金額の取り決めを行い、徴収を進める予定である。
②分配実績
国内分配のうち、商業用レコード二次使用料、貸レコード使用料・報酬、録音使用料、送信可能化使用料、私的録音補償金について、例年同様管理委託契約約款及び分配規程に基づき、適正に分配を行った(総額7,558百万円)。
分配業務のさらなる精度向上のため、委任管理・データセンターの拡充を図り、権利委任団体間のデータ共有を行い、業務の効率化を進めた。
③海外業務
19団体から25百万円の徴収を行い、30団体に377百万円及び19のエージェントに66百万円の分配を行った。また、新たに4団体と協定を結び、協定締結国は31か国40団体となった。
2. 法制・広報業務
①著作権・著作隣接権を巡る課題の解決に向けた活動
著作権分科会をはじめとする関係省庁等の会合における議論に積極的に参加するとともに、意見表明を行った。
・知的財産推進計画2018の策定に向けた意見を提出(2018年2月15日)
②『CPRA news』の発行、ウェブサイトの運営
CPRAの活動を周知し、実演家・権利者を取り巻く社会状況への理解を深めるため『CPRA news』を年4回発行した。また、ウェブサイトを運営し、CPRAの業務概要、実演家の権利等について情報を発信し、より分かりやすく、使いやすいサイトとするため、機能や内容の見直しを行った。
③著作権・著作隣接権制度の普及啓発事業への協力
関係団体等の活動に協力し、講師の派遣や国内外から研修生の受け入れ等を行った。