SANZUI vol.10_2016 spring

Live in the Nature

Photo / Toshiharu Murosawa

SCOT SUMMER SEASON山奥で世界の演劇にであう

舞台の向こうには湖水が広がり、照明を浴びた山の木々が浮かびあがる。劇団SCOTの代表作『世界の果てからこんにちは』では、ロケット花火が湖を横切り、あちこちから火花が噴き出す。老人の妄想の中の戦争の情景だ。頭上に広がる打ち上げ花火の迫力に歓声が上がる。「花火芝居」とも呼ばれるこの作品は、野外劇場のここでしか見られない。

「一度観てみたい」と県内からバスで来た母娘や、「花火が上がって好きだから」という村民、リピーターの学生や複数の大学ゼミ。会場となる利賀芸術公園は、富山空港から車で約1時間。冬は雪に閉ざされる山奥だが、キャンプ場もあり、期間中はグルメ館がオープンする。自然とのふれあいも兼ねて、大勢の人がやってくる。

2015年のSCOTサマー・シーズンには25か国から約300名の演劇人が集まり、アジア各国の作品が上演された。昼はイワナやお蕎麦を楽しみ、夜は観劇。終演後の高揚感と解放感を味わえば、初めて会った人もみんな仲間だ。


劇団SCOT(Suzuki Company of Toga) 1966年、鈴木忠志を中心に早稲田小劇場として創立。1976年に拠点を利賀へ。合掌造りの民家を改造した劇場で活動を始め、後に富山県や南砺市と協力して6つの劇場、稽古場、宿舎などを増設。一帯を富山県利賀芸術公園として整備した。日本初の世界演劇祭の開催、海外の演劇人との共同制作など多国籍な活動を展開している。今年は創立50年、拠点を利賀に移して40年の節目の年。北陸新幹線も開通し、ますます見逃せない。
●鈴木忠志・SCOT http://www.scot-suzukicompany.com/
●利賀芸術公園 http://www.togapk.net/

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