SANZUI vol.07_2015 spring

特集 ホレボレ

青春の頃、誰もが通る「惚れ惚れ」という道がある。
憧れのアイドルやアーティストに夢中になって、
その姿や音楽、パフォーマンスが、寝ても覚めても頭の中から離れない。
しかし、大人になっても、「惚れ惚れ」している人がいる。
舞台の上の演者を見つめて、うっとりして、ぼんやりして、
目がハートマークになっている人がいる。
歌い、叫び、そして、その「惚れ惚れ」という思いは、
人生に若さや輝きを与え、力強く生きるパワーになっている。
「惚れ惚れ」って、素晴らしい。

見る価値のある舞台とは、
まさしくこれだ松永大司(映画監督)

Photo / Kishin Shinoyama

鍛え上げられたダンサーの身体は、ロボットじゃないかと思うほど正確に、大胆に動く。あるときは、息つく間もなく俊敏に動き続けるストイックさに圧倒され、あるときは、無駄なものが削ぎ落とされた神秘的な世界に惹きこまれる。振付・演出する金森穣さんのボーダーレスな発想、徹底的な追求。彼の闘う姿勢には、感化されっぱなしだ。


松永大司 『ウォーター・ボーイズ』(01)などに俳優として出演。その後、映画監督として活動。本年6月に監督・脚本を務める『トイレのピエタ』(RADWIMPS野田洋次郎初主演/新宿ピカデリーほか)が公開予定。(※情報は発行当時)


Noism(ノイズム)

りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館が、舞踊部門の芸術監督に金森穣を迎えたことで2004年に設立された、日本初の劇場専属のダンスカンパニー。新潟を拠点として、日本国内ツアーをはじめ、これまでに海外8カ国11都市でも公演を行っている。第8回朝日舞台芸術賞舞踊賞受賞。



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