SANZUI vol.03_2014 winter

カンゲキのススメ

Illustration / Takao Nakagawa

vol.3人形劇

子供向け、大人向けの演劇がある中、子供も大人も一緒に楽しめるのが人形劇。身近な人形やぬいぐるみで演じるから子供も親しみやすい。だからといって、「人形劇=子供向け」では決してない。わかりやすいからこそメッセージがしっかり伝わるし、人形の繊細な動きには、うっとり見とれてしまうことも。常設劇場もあるので、親子でも、大人同士でも人形劇を楽しもう!

人差し指を人形の脳髄に刺す

棒遣い人形、糸操り人形、手遣い人形、影絵...。人形劇の人形は本当に種類が豊富。その中でも力強く、ダイレクトな動きをするのが片手遣い人形(ギニョール)。人に何か伝える時には、言葉よりもまず手が動くことが多い。片手遣い人形では、最も感情表現豊かな利き手の人差し指を人形の脳髄に刺すので、遣い手の感情と一体となって人形が動かしやすいという。手の動きがそのまま現れるから、コミカルな動き、素早い動きはもちろん暖かで細やかな表現ができる。

上から吊ったり下から操ったり

八頭身の人形など人形の美しさを表現するには、糸操り人形(マリオネット)や棒遣い人形が向いている。糸操り人形は上からつるすので、ぴしっと止まるのが苦手。特に足が地面についているように動かすのは一苦労。横の動きにも弱いから、上下に糸を動かして横に動いているように見せる独特の技術があるそうだ。また『新八犬伝』など、テレビ番組で多く使われる棒遣い人形は物を持ったりするのは苦手だが、アップに耐える個性的な表情を人形そのものが持っている。

お皿もフォークも踊り出す

プロの人形劇を観て驚くのは、まるで生命を吹き込まれたかのように、人形が動き出すこと。最近では、人形に限らず、身近なものを使ったオブジェクト・シアターがあるが、ただの食器だと思っていたものが、人形遣いの手にかかると、人の顔に見えてくるから不思議だ。人形劇には「モノ」を動かして、観客に見えていないものを見せてしまう力がある。

旅の楽しみの一つに

人形劇のフェスティバルは全国各地で開催されている。プロもアマも全国の劇団の公演を楽しめる。海外から招聘したり、ワークショップを開催したり、大人のためのミッドナイトシアターなど、意欲的な取組みをするフェスティバルもある。千円以下のフリーパスを販売しているところも多く、お得。会場付近では屋台が出たり、大道芸があったりと一日中楽しめる。夏や秋の行楽シーズンに行われるものも多いので、旅行がてら訪れてみてはいかが?!




協力:国際人形劇連盟日本センター(日本ウニマ)、全国専門人形劇団協議会

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